「AIと憲法」山本龍彦編著 日本経済新聞出版社 2018年

 朝一番で7キロのインターバルトレーニングを終えてコロラドに向かい、コーヒーを飲みながらの新聞。10時に家を出て四条烏丸のオフィスに来ている。

 今日は「AIと憲法」を読んでいるが、大変に面白い。ただ例によって消化不足である。なにしろ研究室に置いてあった沢山の本を一挙に読んでいるから大変だ。

 「AIと憲法」は、AIの利用が世の中でごく当たり前になるなかで生じるさまざまな問題を法律という視点から検討している。経済学で考えるのと違って、たとえば個人の人権という別の次元からの問題追求は大事なことだと感じる。経済学だけはどうしても効率性という観点からだけになりがちだが、たとえば「戦闘的な広告」は個人の自由な選択権を侵害すると言われるとなるほどと納得する。

 「AIと教育」の章は教育に関わってきた者として大事なことが書かれていると思う。たとえばAIが授業を行うようになると教室でどのような事が起こるだろう。授業は個別化し、それぞれの生徒や学生は自分に合わせた内容を個別に学ぶようになるだろう。できる生徒はどんどんと進み、ゆっくりとした生徒との格差はどんどんと開く。そのときに学年制が成り立つだろうか。そして仮に理解が遅いにしても他の友達と一緒に苦労しても学びたいという生徒の権利を奪うことにならないだろうか。。。教師にとって「教育の自由」は残るのだろうか、などこの本は多くの課題を投げかけている。


 とても一日ではまとめられないが、これからの教育機関は大きな課題に向き合っていくことになる。我々にとって大きなチャレンジが待っている。

 


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